リハビリテーション科
リハビリテーション科
当院では頸椎牽引、腰椎牽引器、ホットパック、マイクロ波、低周波、超音波などの物理療法だけでなく運動療法(関節可動域改善・維持訓練、筋力増強・維持訓練、基本動作回復・維持訓練、座位・立位訓練、歩行訓練など)を行い病気や外傷、加齢、障害で生じた運動機能が低下した状態を維持、改善するために行っています。現在、理学療法士による運動療法については準備中のため開始可能時期に改めて当ホームページにてお知らせしますのでお待ちください。
物理療法は、温熱や寒冷、電気、水などの物理的な手段を使う治療法です。一般整形外科疾患、関節リウマチ、スポーツ障害、外傷などの幅広い症状に対して、各種最新の治療機器を用いて実施します。温熱によって血流や筋緊張を改善することで痛みを緩和したり、電気で筋肉や神経を刺激して痛みの緩和や筋力の増強を促進したりします。また牽引療法では頸椎、腰椎を牽引することで椎間、椎間孔をひろげ椎間板や神経根への圧力を軽減させ疼痛、しびれを緩和させたり、ストレッチ効果により攣縮した筋肉をほぐしたり、マッサージ効果により血行不良の改善も期待できます。
電流が神経筋システムに作用し、筋を収縮させ、血流を増加させ、疼痛を抑制します。この作用を利用し、血流改善、筋萎縮の予防、拘縮や痙縮の改善、随意運動の回復、末梢神経や皮膚等の組織損傷の修復、疼痛緩和、機能代行などに使用します。
ゲルマ二ウムを含む5種類の鉱石と磁気セラミックボールを使用したホットパックです。一種類の鉱石と比べて温度の上昇が速く、より持続的に効果が続き患部を温めてくれます。
皮膚から2,5センチ程度までマイクロ波が達しホットパックより深部まで浸透することにより患部を温めてくれます。衣服の上からでも使用できますが金属がある部位やペースメーカーが体内にある方は使用できません。
超音波はとても細かな器械運動による患部内の細胞や粒子の往復運動が摩擦を生じ、熱の発生をもたらします。この作用により血行を促進し代謝が盛んになります。
また、血行の改善とともに交感神経活動の減少により筋肉が弛緩し関節が動きやすくなります。
頚椎または腰椎を牽引することにより、椎間孔を拡開し、椎間関節を離開し、神経根を除圧します。
また椎間関節周囲の軟部組織を伸長し、筋のスパズムを緩和するとともに、椎間板及び椎間関節の軽度の変形、変位を矯正するとされています。
水槽に水を満たして柔軟な膜で密封し、槽内部のノズルから膜に向けて噴流を発生し、その水圧で全身のマッサージを行います。刺激が柔らかく、心地よい浮遊感を得られます。
滑車に取り付けられたロープを両手で持ち、片側の手で引っ張ることにより反対側の上肢の他動運動、自動介助運動を行います。主に肩関節可動域の維持、拡大を図ることに用います。
運動器リハビリテーションは、様々な整形外科疾患が対象となります。
下記のような気になる症状やお悩みがありましたら気軽にご相談ください。
主な症状 | 主な疾患 |
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首や肩が痛む | 肩こり、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症、肩関節周囲炎(五十肩)、腱板断裂など |
腕が上がらない | 腱板断裂、頸椎神経根麻痺など |
手のしびれ | 手根管症候群、肘部管症候群、頸椎症性脊髄症、頸椎椎間板ヘルニアなど |
足のしびれ | 腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなど |
腰が痛む | 慢性腰痛、変形性腰椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、仙腸関節障害など |
歩くと膝が痛む | 変形性膝関節症、半月板損傷、特発性大腿骨内顆骨壊死など |
体が動かしにくい | 外傷後関節拘縮、頸椎症性脊髄症、廃用性筋萎縮など |
体を動かすと 痛みがはしる |
腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性神経根症など |
外傷後、関節や筋肉が 動かしにくくなった |
関節拘縮、廃用性筋萎縮、複合性局所疼痛症候群など |
手術後、関節が動かしにくい、痛む | 術後関節拘縮、廃用性筋萎縮、複合性局所疼痛症候群など |
スポーツ活動に 早く復帰したい |
スポーツ障害、競技に応じたリハビリテーションを行います |
中年以降、特に50歳代に多くみられます。関節を構成する部分(骨・軟骨・靭帯・腱)などが老化し、肩関節の周囲に炎症が起きることが原因と考えられています。
自然に治癒することもありますが、ときには日常生活に支障がでるばかりでなく、関節が癒着して動かなくなることもあります。急性期にはまず安静を心がけ、消炎鎮痛剤の内服、肩への注射が有効です。急性期を過ぎてからはホットパックなどの温熱療法、また拘縮(こうしゅく)予防や筋肉を強化するための運動療法を行います。
肩関節には腱板という構造があり、この腱板がささくれて破れた状態を肩腱板断裂といいます。若い方は、けがや酷使によって発症しやすく、中年以降の方は加齢による腱の変性が引き金となり、外傷のない断裂が多くなります。リハビリテーションでは、痛みを避けながら筋力強化を行うことが重要です。ゆるやかな振り子運動から関節を動かす運動を始めます。肩甲骨の動きの改善なども有効です。
骨粗しょう症があるご高齢の方によくみられる足の付け根(股)の骨折です。転倒することで発生することが多く、手術が必要な場合がほとんどです。要介護状態に陥りやすい骨折であり、術後はできるだけ早期から離床するためにリハビリテーション治療が不可欠となります。深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)や、再度の転倒などに注意しながら進めます。
女性に多く発症する病気です。初期には関節の痛みを伴い、次第に色々な関節の腫れや変形、動きの制限が生じてきます。朝、指を曲げ伸ばしたときに、こわばりが起こることも特徴です。しばしば貧血や微熱などの全身症状も起こります。リハビリテーション治療はリウマチの時期によって異なります。痛みが強いときは、そのコントロールと局所の安静を図ります。痛みが落ち着くと関節の運動や筋力増強訓練などを行います。歩行訓練や日常生活のための訓練も行います。食事・着替え・入浴など、手助けとなる道具(自助具)を用いて日常生活動作ができるようにします。家事動作などの生活の工夫も必要です。
変形性関節症は関節軟骨がすり減ることで発症します。リハビリテーション治療では、痛みの緩和を目的とした温熱・寒冷療法などの物理療法、関節に痛みを出さない状態での筋力強化訓練などの運動療法、装具による関節保護などを行います。慢性疾患ですので、関節症状を悪化させないための生活指導や自主トレーニング指導が必要となります。
スポーツ外傷には、打撲・捻挫、肉離れ・腱断裂、骨折・脱臼、靭帯損傷などがあり、現場での適切な応急処置が必要になります。スポーツ障害には、テニス肘、ゴルフ肘、野球肘、野球肩、ジャンパー膝、ランナー膝、グロインペイン(鼠径部痛症候群)、疲労骨折などがあります。一度の外力で生じるけがではなく、スポーツ中の繰り返し動作で生じることが多く、予防やコントロールが重要となります。また、一旦発症すると、症状が長引くことが多く、スポーツの継続・復帰のためにリハビリテーションやリハビリ機器を用いた治療が必要になることもあります。
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