エコー検査・治療
エコー検査・治療
当院では、エコー検査を積極的に行っております。整形外科の検査でよく行われるエックス線検査は主に「骨や関節」を観察することにとても有効ですが、エコー検査ではエックス線検査では判断しづらい「筋肉・腱・神経・血管・靭帯・軟骨」などの軟部組織に対して検査を行います。整形外科で扱う疾患は骨や関節だけではなく、痛みの原因は筋肉や腱、靭帯である場合も多くあります。また、リアルタイムで検査が可能なため痛みがある部分を動かしながら痛みに直結する原因を知ることが可能です。また、リウマチ診療では視診、触診ではわかりにくい関節炎、滑膜炎を検知することができリウマチの早期診断につながったり治療効果の判定にも役立ちます。
ハイドロリリースとは、比較的新しい治療法で、Fasciaリリースとも呼ばれています。
Fasciaとは、鞘、シート、結合組織の集合体で皮膚と筋肉の間(皮下組織)・筋周囲・末梢神経と血管をつなぐものやそれらの関連構造で、この結合組織同士がくっついて固まってしまった状態になると、筋膜の動きが悪くなり、痛みやコリの原因となります。
この固まってしまった結合組織(fascia)を剥がすことを目的とした治療をハイドロリリースといいます。
ハイドロリリースは、超音波装置(エコー)で注射針を見ながら「生理食塩水」と呼ばれる人体に使える水とわずかな麻酔を痛みがある部分に直接注射して薬液を入れていく注射療法です。
固まっていた筋膜同士が剥がれ、固まっていた筋肉が柔らかくなると、痛みや筋硬結などの症状が改善することが期待されます。
最近では、神経周囲にも同じように注射治療をすることで、痛みや痺れも解消できる効果が確認されています。また、この治療法で症状が改善することができれば、痛みを誘発する部位を見つけることもでき治療と診断を同時に行えます。この他、靭帯周囲や腱鞘、関節包、硬膜外腔などにもエコー下に同様に治療することが可能となってきました。
しかし、ハイドロリリースにより一時的に痛みがなくなったとしても、今までの生活習慣や身体の使い方を変えることがなければ、症状は今までと同じように繰り返し現れてしまいます。
そのため、ハイドロリリースだけで痛みを改善するのではなく、運動やリハビリなど取り入れることで筋肉をつけたり、痛みがでないような筋肉の動かし方を覚えて再び同じ症状が出てこないようにすることも重要となります。
痛みを治療する診療科では「痛みを改善するための注射」で、麻酔剤や鎮痛剤という薬を使い痛みがある圧痛点に注射します。
エコーを用いたハイドロリリースの場合、筋肉や神経を包む膜を剥がすことが目的のため、わずかな麻酔薬は使用しますが注射薬液の大部分は「生理食塩水」です。
そのため、今までの麻酔剤、鎮痛剤のみの痛み止めの注射とは違い、薬剤の副作用のリスクや身体への負担が比較的少なく、またエコーで痛みがある部位を狙ってピンポイントで注射できます。
「肩が痛い」「腰が痛い」「後頭部、後頚部が痛い」「手がしびれる、手が痛い」といった症状はありませんか?
ハイドロリリースは、筋肉や神経とその周りを包む膜が固まっていることで痛みが出ている場合に、エコー下に患部を直接見ながら注射治療することでエコーを使わずブラインドで注射するトリガーブロックより痛みが改善されることが期待され、安全に行うことが可能です。
超音波検査(エコー)では、筋肉とそれを包む膜を正確に確認することができます。
患者様の痛みの部分をリアルタイムに画像と一緒に確認できるため、正確に注射で薬を入れる場所を決めることができます。
また、痛みのある部分に直接薬をいれるので、早い段階での痛みの緩和が期待されます。
使用する薬液は、生理食塩水とわずかな麻薬薬・鎮静剤を使用しているため、薬剤の副作用を最小限にして患者様自身の体への負担が少なくできます。
治療は注射でおこなうため、痛みが伴い、出血や腫れを起こす場合があります。
また稀ではありますが、注射部位から感染を引き起こしてしまうこともあります。
薬を注入したあと、特に体に異常がなければそのままご帰宅することができます。
また、ご帰宅後に体調に問題なければ患部の制限も特にありません。
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